入居者に敬遠される代表的な設備とは…
以前はもてはやされていた賃貸住宅の間取りや設備も、時代が変わり、入居者のライフスタイルが変わったことで入居者から敬遠されてしまうものもたくさんあります。
そのような設備の代表的なものをあげてみようと思います。
それは、①和式トイレ、②3点式ユニットバス、③古いエアコン、④和室 の4つです。
いずれも、数十年前の賃貸住宅では、当たり前のように採用されていた設備ですが、令和に入った現在、入居者から敬遠される設備の代表格になってしまいました。
入居者に、その理由を聞くと、「使い勝手が悪そう」「そもそも使い方が分からない」「古臭さを感じる」「オシャレじゃない」という答えが返ってきます。
設備の更新を行わず、今の入居者が求める設備を導入していかないと、いくら家賃を下げたとしても、その物件は見向きすらしてもらえず、入居者を確保することが難しくなります。
そこで、今回は、「入居者に敬遠される設備」の改善方法を具体的な事例とともに解説し、入居の改善に苦労されているオーナー様の参考にしていただければと思います。
①和式トイレ
和式トイレとは、いわゆる「しゃがんで用をたすトイレ」です。
和式トイレと洋式トイレの出荷台数の推移を調べてみると1975年には、和式トイレが54%、洋式トイレが46%だったのに対し、1999年には、和式トイレは、8%、92%が洋式トイレとなっています。
2000年代以降は家庭用のトイレのほとんどが洋式トイレとなっています。
つまり、2000年以降に生まれた世代は、トイレと言ったら、当然、洋式トイレであり、自宅や学校などでも、当然のように洋式トイレで育っています。
また、高齢の入居者にとっても、足腰の衰えから、しゃがむことができず、和式トイレで用を足すのが困難になったり、転倒してケガをしてしまう危険性が高まったりするという理由から敬遠される傾向にあります。
和式トイレの物件をお持ちのオーナー様にとっては、どのように改善していけばいいのか、頭を悩ますところですが、今回、あまり費用をかけずに、今の入居者にも受け入れてもらえるトイレに改善する方法をご紹介します。
和式トイレを解体して、新たに洋式トイレを設置する方法は、数十万円の費用がかかり、費用対効果を考えると得策とは言えません。
そこで、費用をかけずに、改善する方法として、和式トイレの上に洋式トイレのアタッチメントを取り付ける方法をご紹介します。
このアタッチメントであれば、数万円の費用で取り付けることが可能です。
また、アタッチメントとシャワートイレを組み合わせることできるタイプもあり、そのようなタイプのものであれば「洗浄付便座」として募集することができます。
費用的にも、1カ所あたり5万円前後で取り付けが可能です。
まずは、このような方法で改善を図ってみてはいかがでしょうか。
②3点式ユニットバス
3点式ユニットバスは、少ない面積で、短工期かつ、低コストで設置できるということで、一世を風靡した設備です。
3点式ユニットバスの歴史は、東京オリンピックの選手村の建設までさかのぼります。
1970年代後半頃からは賃貸住宅にも広く採用されはじめ、最盛期は1990年代のバブル期の集合住宅が大量供給された時代に多く採用されました。
その当時建築された物件が、現在の賃貸住宅市場に多く残っています。
3点式ユニットバスが敬遠される理由としては、掃除が大変、洗い場が狭い、シャワーを浴びるたびにトイレがビシャビシャに濡れてしまう、などが挙げられます。
風呂無し・共同トイレが当たり前の時代には、狭くても自室に専用トイレとシャワーがあるということで人気を博した3点式ユニットバスですが、独立のユニットバス、独立のトイレ・洗面台が当たり前となった今では、入居者に敬遠される設備の代表格となってしまいました。
シャワーのみでいいという入居者も増えている
日本ではあまりメジャーではありませんが、海外では、シャワーのみの賃貸物件をよく見かけます。
また、普段は、湯船につからず、シャワーだけで済ませ、湯船につかりたい場合は、温浴施設やフィットネスジムを利用する若者も増えており、お掃除の手間や、ガス代の節約などを考え、積極的にシャワーのみの物件を探す入居者も現れています。
そのような傾向も踏まえて、今回は、3点式ユニットバスを、トイレとシャワー室に分離する商品についてご説明します。
この商品は、3点式ユニットバスの敬遠されていた原因を克服するものとなっています。
シャワー室とトイレは、半透明なドアで仕切られているので、トイレがビショビショになったり、トイレットペーパーを濡らしたりという悩みが解消されます。
また、浴槽がないので掃除も楽です。
さらに、トイレが独立しているので、「独立トイレ」として募集することも可能となり家賃のアップも見込めます。
費用的には100万円前後かかりますが、設備改善によって、仮に月8,000円(年間9.6万円)の家賃UPが可能であると判断すれば、投資利回りは10%前後となり、投資を検討するに十分値するものだと思います。

③古いエアコン
古い黄ばんだエアコンは見た目がよくないばかりでなく、入居者に電気代が高いというイメージを持たれます。
実際に、古いタイプのエアコンと最新のエアコンの電気代を比較してみると、最新のエアコンの1時間あたりの電気代は17円であるのに対し、2000年代前半に製造された古いエアコンは1時間あたりの電気代が30円程にもなります。
1日10時間、月300時間エアコンを使用したとすると、古いタイプのエアコンの電気代は、月約4,000円も高くなります。
電気代が高騰しており、省エネが盛んに叫ばれている昨今、エアコンが省エネタイプのものかどうかをシビアにチェックする入居者が増えています。
未だに古いタイプのエアコンが設置されている場合、入居が決まらない原因は、もしかするとそのあたりにあるのかもしれません。

④和室
募集していて、和室に押入れという部屋が決まりにくいのは事実です。
以前は、和室で床に座るというライフスタイルが主流でしたが、今は、ベッド、ソファ、ダイニングテーブルなどを使用し、床に座らない洋式のライフスタイルが主流になり、入居者から敬遠されているためだと思われます。
2000年代以降に生まれた若者にとっては、自分が育った自宅の部屋も洋室であった人が多く、「部屋=洋室」が当たり前になっていて、和室での生活を経験したことがない若者も増えています。
しかし、いざ和室を洋室に変更しようと考えた場合、どのようにしたらいいか悩むところです。
畳をフローリングに変更するだけでいいのか、建具や壁、収納まで範囲を広げた方がいいのか、実施する工事内容によって費用が大きく変わってきます。
また、和室の雰囲気を残しつつ、畳と壁紙を変えることでモダンな和室に変更するようなリフォームをし、費用を抑えていく方法もあります。
最後に
賃貸住宅のオーナーがリフォームや設備更新を考える場合に大切なことは、まずは、自分の物件の現状を把握し、競合する物件の状況をしっかりと調査した上で、費用対効果の検証をしながら、計画を進めていくことです。
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