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孤独死数、年8.7万人の衝撃 リスク回避方法は?

オーナー様

孤独死で亡くなる人数は65歳以上が6.8万人

65歳未満が1.9万人



今、孤独死が深刻な社会問題になりつつあります。

 

政府は2023年に孤独死・孤立死の実態を把握するためのワーキンググループを立ち上げて議論を開始しています。 

 

実際に孤独死で亡くなる人は、どれくらいいるのでしょうか。

 

日本経済新聞が警察庁に取材したところ、202413月の間に自宅で亡くなった一人暮らしの人数は、全国で21716人(暫定値)でした。

 

この孤独死数を年間に換算すると、約87000人の一人暮らしの人が自宅で亡くなっていることになります。 

 

自宅で亡くなった一人暮らしの78%65歳以上ですが(約68000人)、一方で65歳未満の人が相当数いることも見逃せません。

 

年間に換算すると、約19000人の若者や中年の人々が孤独死をしている計算になります。 

 

賃貸経営における孤独死リスクは、入居者が高齢者の場合に起きやすいイメージがあります。

 

しかし、先述の警察庁のデータを踏まえると、若者や中年の入居者においても、孤独死のリスクが存在することを賃貸オーナー様は認識する必要があります。

 

孤独死が発生したときの賃貸オーナー様の損失はどれくらい?

 

賃貸オーナー様がこのテーマで最も気になるのは、所有物件で孤独死が発生した場合、「どれくらいの損失が生じるのか」ではないでしょうか。 

 

孤独死による損失については、物件のタイプや賃料、死から発見までの期間などによって異なりますが、保険会社のデータなどを参考にすると、一般的な損失は約150万円(うち、家賃損失は50万円)と考えられます。

 

その内訳を確認してみましょう。

 

孤独死が発生した場合にオーナー様が負担する、主な費用の項目は以下の3点です。 

 

・原状回復費 

・遺品整理のための費用 

・相続財産管理人の選任申立費用 

 

これらの中で、最も多額の費用がかかるのは原状回復費です。

 

特殊清掃の費用は状況や業者によって大きく異なり、目安は550万円程度です。

 

亡くなった箇所に汚れや臭いが残っている場合、床材やクロス、襖、ドアなどの交換も必要となります。 

 

家賃の損失も物件によって異なりますが、仮に家賃を8万円、空室期間を6カ月と想定した場合、損失は48万円となります。 

 

孤独死の数が増えていることや、孤独死によるオーナー様の負担が大きいことを考慮すると、「明日、孤独死が発生してもおかしくない」という意識を持って、孤独死リスクと真剣に向き合っていく必要があります。


 

【孤独死リスクの対策1】緊急連絡先の定期的な確認を行う

 

原状回復費や遺品整理費用の請求先は、原則として連帯保証人になります。

 

また、連帯保証人がいない場合は、ご家族に相談することになります。

 

しかし、賃貸借契約を交わす際に確認していた、連帯保証人やご家族の電話にいざ連絡してみると、繋がらないこともあります。 

 

問題が起きたときに困らないよう、連帯保証人やご家族に定期的に連絡することをおすすめします。

 

例えば、長期的な入居の場合、賃貸借契約の更新時に必ず連絡するなどです。 

 

【孤独死リスクの対策2】家賃滞納や苦情を放置しない



孤独死が発生した場合、発見されるまでの期間でご遺体の状態が大きく変わります。

 

発見までの期間が長いほど、特殊清掃費や原状回復費が増加しやすく、入居者募集を行った際の心理的な抵抗感も強まります。 

 

賃貸オーナー様が孤独死を早期に発見する方法の一つは、家賃滞納に対するスピーディーな対応です。

 

また、他の入居者や周辺住民から「悪臭がする」などの苦情があった場合、速やかに現地調査を行い、原因を特定することも有効です。

 

ただし、家賃滞納や悪臭への迅速な対応をオーナー様だけで行うのは限界があります。

 

管理会社と連携しながら、チームで孤独死リスクに対応するのが現実的です。

 

まずは、管理会社の孤独死への考え方をヒアリングしてみましょう。

 

その上で、オーナー様が気づいた点があれば、対応策について修正・追加していくのがよいでしょう。  

 

【孤独死リスクの対策3】入居者に適した見守りサービスを導入する

 

入居者が高齢者の場合、孤独死を防止するための「見守りサービス」を提案・導入するのも有効です。

 

ただし、見守りサービスにはいくつかのタイプがあるため、物件や入居者のタイプに合った内容を選ぶことが重要です。 

 

見守りサービスの例では、ALSOKやセコムなどのセキュリティ会社が専用機器と緊急時のガードマンの訪問を組み合わせたサービスを提供しています。

 

また、クロネコヤマトでは室内に特殊な電球を設置してオン・オフで異常を検知するサービス、郵便局員では月1回の訪問とご家族への報告を組み合わせたサービスを展開しています。 

 

見守りサービスのコストの一例として、クロネコヤマトの電球式の場合、初期費用と追加費用なしで月額1078円(税込/20248月末時点)の設定です。


 

【孤独死リスクの対策4】孤独死に対応する特約付の火災保険を選ぶ

 

火災保険の中には、孤独死の原状回復費や家賃減額に対応する商品もあります。

 

例えば、損保ジャパンの火災保険「THE すまいの保険」では、事故の区分で「不測かつ突発的な事故(破損・汚損など)」が適用される場合、孤独死の原状回復費が補償される可能性があります。 

 

なお、「THE すまいの保険」では、孤独死による損失リスクに対応する賃貸オーナー様向けの特約として「事故対応等家主費用特約」も用意しています。

 

これは孤独死が発生した際の空室や家賃減額による損失、原状回復費を補償する内容です。 

 

他の保険会社の商品でも、同様の補償を用意している可能性がありますので、代理店や担当者に確認してみましょう。

 

【孤独死リスクの対策5】孤独死保険に加入する

 

火災保険の特約などで孤独死による損失が補償されていない場合、「孤独死保険」に加入することでリスクを回避できます。 

 

孤独死保険の例として、住友生命グループのアイアルが提供する「無縁社会のお守り」があります。

 

この商品の加入条件は、一棟物件または4戸以上の物件です。

 

補償内容は、原状回復費(事故発生から180日以内に支払ったもの)、本来家賃の80%(最長12カ月)、および事故見舞金(1事故あたり5万円)です。 

 

 

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